【体験談】飛行機でCAさんを口説く方法

【体験談】飛行機でCAさんを口説く方法

「たしかに名刺を頂いたりすることはあるんだけど、こうやって食事に行くっていうことはあんまりしたことないんだ。」

薄暗いカウンター席でシャンディーガフの入ったグラスを傾けながら、彼女はそう呟いた。

搭乗

仕事の関係で全国への出張が多い僕は、飛行機をよく利用する。

今回も某地方都市への仕事に向かうため、平日の昼間に飛行機に乗ることになった。

平日ということもあり、事前の座席予約は空席が多く、比較的自由に席を選ぶことができた。

今回のフライトでは、後ろ寄りの座席、真ん中の4列シートの右端の席を予約した。

何かの番組で飛行機が不時着陸した際、生存者が多かったのは後部座席寄りであり、前のめりに突っ込みやすい前部座席は死ぬ確率が高いと説明していたのを記憶していて、早く飛行機から降りられることより、生き残る確率を僕は優先した。何事も慎重派なのだ。

搭乗の時間を迎え、飛行機に乗り込みチケットを確認しながら座席付近までたどり着くと、僕の他に既に着席している人はおらず、このまま4列シートを独り占めできるのではないかと淡い期待を抱いた。

しかしそんな期待を打ち砕かんとするが如く、明らかに不健康な太り方をした、くたびれた白い無地のワイシャツ、黒のスラックス、大きめの黒色のショルダーバッグを肩に斜め掛けした中年の男が、僕の座席付近まで近づいてきていた。

お願いだからこの不健康極まりない中年男だけは、僕の列にだけは着席しないでくれと思っていたが、案の定その中年男は僕の座席列に食い込んできた。

幸いなことに彼は4列シートの一番左端に着席したため、僕との間には2席分の空白があった。

この不健康そうな男に僕のフライト中の平穏な時間は邪魔されずに済みそうなことに安堵し、座席にゆったりと座り直した。

着席

離陸までの時間を音楽を聴きながら過ごしていると、大方の乗客たちは席に着いたようで、CAさんたちが頭上の荷物入れを閉めて回り出していた。

僕の座席列の方にも一人のCAさんが歩いて向かってきていた。

同列の不健康そうな中年男の側までたどり着くと、そのCAさんは中年男に向かって一礼し何事かを告げると中年男は座席から立ち上がり、通路側に一旦避けた。

きっと落し物か何かのチェックをするのだろうと横目で見ていると、そのCAさんは僕の左隣の座席までたどり着くと、ニコッと微笑み、僕に一言「失礼します。」と告げるとその席に着席した。

なるほど、落し物か何かのチェックではなく、このCAさんは離陸してからの業務を行うために一時的にこの空席に着席をしたのだろうなと、自分の中で勝手に解釈をした。

しかしCAという職業につく女性は、全ての職業と顔面偏差値を比較したら、やはり美人が多い職業だと思う。僕の左隣の座席に一時的に着席したこの女性も例に漏れず美人という部類に属するタイプだった。

二重でくっきりとした目に、まっすぐ通った鼻筋、口は少し大きめ。全体的に濃いめの顔立ちをしている。おそらく下ろしたら長いであろう黒髪はCAのそれらしく綺麗にまとめあげられていた。

離陸

全乗客が着席したようで、飛行機は搭乗口をロックするとノロノロと滑走路に向けて動き始めた。

僕は先ほどのCAさんとは着席の際のやりとり以降特に会話をすることもなく、イヤホンをしたまま音楽を聴き続けていた。

全ての離陸準備が整った飛行機は、一路某地方都市へ向かうために一気に速度を上げ大空へ飛び立った。

離陸してから10分程度経っただろうか。ポーンというあの間の抜けたシートベルトを外しても良いというサイン音がなると、方々からカチャカチャとシートベルトを外す音が聞こえ出した。

ここからドリンクサービスが始まるため、CAたちはせわしなく動き始めることを知っていた僕は、左隣のCAさんも座席から立ち上がるのだろうと思い、左をチラリと見るもそのCAさんは一向に立ち上がる気配を見せない。

それどころか持っていたiPadらしきものを操作しだしている。

他のCAたちがドリンクをサーブし始めている間も彼女は立ち上がる気配もなく、そのまま座り続けていた。

接触

離陸してから着席したままの左隣の美人CAが気になり、ゆっくりと過ごせない僕は遂に彼女に話しかけてみることにした。

「あの…すみません。あなたはなぜここに座っているんですか?」

特に考えもなく率直に疑問を口に出したものだから、中学英語の質問文みたいな言葉が出てきてしまった。

一瞬こちらを見て驚いたような顔をした後、彼女はクスッと笑い答えた。

「そうですよね、この格好でここに座っていたらなんでこいつは仕事をしないんだって思いますよね。」

美人は笑顔も美人だった。

「いや、そんなことはちょっとしか思っていないですけど笑、見慣れない光景なのでつい疑問に思ってしまい質問してしまいました。」

「確かに見慣れないですよね笑。実は私はこのフライトの搭乗員ではなく、向こうに着いた後にこちらに戻ってくる便の担当なんです。」受け答えをしている最中も彼女は笑顔だった。

「ということは、今あなたは出勤中ということですか?」

「ふふ、そうですね。出勤中ということになると思います。」

「飛行機で出勤する人なんて初めて見た。なんだかカッコいいですね。」

「CA以外にそんな人はなかなかいないですもんね笑。平日の比較的空いている便なんかでは、こうやって空いている席に座らせていただくことがあるんですよ。」

「そうなんですね。平日に飛行機に乗ることはわりとありますが、こうやってCAさんが隣に座っている状況に出くわしたのは初めてです。なんだか得した気分です笑。」

「そんなそんな。むしろお邪魔してしまってすみません。」

そこから僕たちは色々な話をした。

仕事の話や住んでいる場所、趣味などお互いにまつわることを大体の話をした。

CAである彼女は職につく前から留学や旅行で海外に行く経験が多かった。僕も学生時代からホームステイや旅行に行くことが多く、それぞれの海外体験なとで話は盛り上がった。

着陸

話をしているといつのまにか飛行機は目的地への着陸準備を始めるアナウンスが機内に流れた。

CAさんと僕は話し始めてからそれまでずっと話を続けていた。

いや、もしかしたら話をし続ける僕にCAさんが合わせていてくれたのかもしれない。

それでも僕はCAさんとの2時間近くの会話に確かな手応えを感じていた。

そしてこのまま着陸して飛行機を降りてしまったら彼女との関係はそれまでで終わってしまうということに焦りを覚え始めた。

何とかして彼女と連絡先を交換し、今後も会えるようにしなければならない。

しかしこの場でスマホを取り出して連絡先を交換しようとした場合、周囲の他のCAの目につくため、たとえ彼女が嫌でなくても周囲の目が気になって交換に応じてくれないかもしれない。それに機内モードのためLINEの交換ができない。

またこちらの名刺を渡した場合、もし今までの会話の手応えが全てこちらの勘違いであったならば、名刺は破り捨てられるか、他のCAたちとの笑いのネタにされてしまったりする可能性もあるのではないか。最悪SNSに晒される可能性だって考えられる。

着陸までの短い時間で頭をフル回転させて考えた結果、僕は一つの行動に移る決意をした。

飛行機が着陸し、間もなく乗客が降り始めるというタイミングで、僕はビジネスバッグの中から持っていたポストイットを取り出し、そこに名前と自身のLINEのIDを書いた。

そして降りる準備を始め、座席を立ち上がってCAさんにお礼を述べた。

「今日はありがとうございました。お陰で楽しい時間が過ごせました。またお会いできたら嬉しいのですが、よかったらこれを受け取ってくれませんか?」

なるべく周囲から見えにくいようにポストイットを彼女に渡した。

彼女は一瞬驚いたようだったがそのポストイットを受け取るとポケットにサッと閉まい、「こちらこそありがとうございます。お仕事頑張ってくださいね。」と言ってくれた。なんとも手応えのわかりにくい返しだった。

連絡

某地方都市に到着した僕は、現地での打ち合わせを終え、夜の会食に参加していた。

会食中も頭の中では、飛行機内でのやり取りを思い出し彼女からの連絡がくるのかどうかやきもきしていた。

会食が終わりホテルに戻る道を歩いている途中、僕のスマホが震えた。画面を確認し、僕も震えた。

美人CAさんからの連絡だった。

「こんばんは。
今日飛行機でご一緒させて頂きました●●です。お仕事お疲れ様です。」

飛行機内での彼女との出会いから会話までを思い出し、美人CAさんから連絡をもらえた事実に興奮した。

しかしここで興奮した勢いでがっついてしまってはいけない。冷静に、落ち着いて、余裕のある姿勢で臨まなければならない。

「こんばんは。今日はありがとうございました。連絡もらえて嬉しいです。よかったら今度ご飯行きましょう!」

やってしまった。

す興奮のあまり即レスで、しかもいきなりご飯に誘ってしまった。なんというがっつき…

LINEを送った後に僕は後悔した。何事も慎重派だなんて自分自身への過大評価も甚だしい。

飛行機で話した程度の男から、いきなりのLINEでご飯に行きましょうと誘われ、それに乗ってくれる可能性は高くない。

今まで積み上げてきたものを自らの手で崩してしまおうとしている自分に嫌気が刺した。

ホテルの部屋に着くと全ては酔っていて冷静な判断ができないせいだと思い、熱いシャワーを浴びた。

シャワーを浴び、いっそ今日あったこと全てを忘れてしまおうと寝ようとした矢先、スマホが振動した。

彼女からのLINEだった。

「こちらこそありがとうございました。ぜひご飯行きましょう。」

計画通り!!!笑

いや、実際は計画通りなんかではなく、めちゃくちゃドキドキしていたのだが、なんと美人CAさんからはご飯に行ってもいいと返信をもらえた。

ご飯に行ければ、まだ僕には望みがある。この美人CAさんをなんとかして口説くための。

そこからLINEでのやりとりはスムーズに続き、早い段階でのアポが決まった。

邂逅

食事の場所は僕のフィールドである某繁華街を指定した。女性と食事をする際、優しい男を気取って女性側の職場の近くなど普段自分が知らない土地を選択するのは間違いだと僕は思っている。

これは僕の独断と偏見だが、女性と2人で食事をする男性の9割は具体的に行動を起こす、起こさないにしろ、その日のあわよくばの展開に期待をしていると言っても過言ではない。皆下心をソッと人目につかないように隠しているだけだ。

だから知らない土地で食事をするのは、1軒目での食事を終えた後の動線が不確定になりやすいため避けた方がいいのだ。

1軒目での女性との和みが充分にできたのであればそのまま大人の世界へ連れ出してしまえばいいし、和みがまだ不十分だと思えばバーなど2軒目を間に挟んでもいい。

そのように相手の感触次第で臨機応変に次の打ち手を変えやすいのは、自分がよく知ったフィールドの方だ。

平日の夜、仕事終わりの僕とその日の朝に海外フライトから帰ってきた美人CAさんとの闘いが始まる。

待ち合わせ場所に先にたどり着いた僕は、彼女を待っていた。

少し遅れて彼女はやってきた。

「遅れてごめんなさい!お待たせしちゃいましたよね?」

そこには先日のCA姿の彼女とは違った、私服姿の彼女がいた。仕事の際にまとめ上げていた髪はストレートに下ろされ、メイクも若干ナチュラル風なプライベートなものだった。CA姿とは異なるが、美人な彼女がそこにはいた。

「大丈夫ですよ。この前の姿とは違うけどやっぱり綺麗ですね。お店予約してるんで向かいましょう。」

「そんなそんな!お店の予約ありがとうございます。」

女性の私服は褒めておくに越した事はない。それに今日の彼女の私服姿はお世辞でなく綺麗だし似合っていた。

僕は慣れた足取りで彼女をエスコートしながら予約したお店まで向かった。幾度となく使い慣れた道。この街は僕のフィールドだ。

入店

繁華街の喧騒から少し離れた所にあるそのお店は、店内は静かで明かりも適度に暗く、デートをするのにはうってつけでこういった二人で食事をする時なんかにはよく利用する。カウンター席が僕の定位置だ。

注文した二人の飲み物が提供されると僕たちは乾杯をした。さぁ試合開始のホイッスルが鳴った。

「今日は来てくれてありがとうございます。というかそもそも連絡してくれてありがとうございます。」

「いえいえ、こちらこそご飯に誘っていただいてありがとうございます。」

まだまだ空気が堅苦しい。空気を和らげよう。

「あれですね、敬語だと緊張がほぐれないのでお互い普通に喋りませんか?」

「そうですね、私もそう思いました笑」

「ありがとう。ところでCAちゃんはやっぱりフライト中に連絡先を聞かれたり渡されたりすることっていうのはよくあるの?」

「たしかに名刺を頂いたりすることはあるんだけど、こうやって食事に行くっていうことはあんまりしたことないんだ。」

薄暗いカウンター席でシャンディーガフの入ったグラスを傾けながら、彼女はそう呟いた。

ほほう、ということは少なくとも僕は彼女の中の一次審査には合格したようだ。

「そうなんだ。飛行機で連絡先を聞いてくる男って経営者とかやり手のビジネスマンとか多そうな気もするけどね。」

「そういう人もたまにいるけど、そういう人ってすごく自信に満ち溢れていて、自分の話をたくさんしたいタイプの人が多いから。私はそういう人はちょっと苦手で。」

女性に対して自分がいかに優秀で素晴らしいかを語り続ける男はよくいるが、彼女が言う通りこういう男は大抵女性ウケはよくない。女性は元来自分の話をしっかりと聞いてくれて共感してくれる男に惹かれるのだ。そこに男のスペックは必要ない。

そこから僕は基本的に聞きのスタンスに徹し、彼女の仕事での苦労や人間関係の悩み、休みが周りと合わなくてなかなか遊べないなどといった心の中に溜まっていることを吐き出させた。

お互い酒も進み、彼女もだいぶ饒舌になってきた。もう少し。もう少しで彼女の心を開けるはず。しかしまだ今の段階で彼女を誘うには性的な雰囲気が足りない。

会話が盛り上がっている雰囲気の中、僕は店を変える提案を彼女にした。彼女はまだ少し話足りなさそうな顔をしていたため、この誘いに乗ってきた。

作戦

二軒目は一軒目から歩いてそう遠くない距離の静かなバーに向かった。いつもの定番コースだ。女性と行く店は何回も使い慣れることが大事だ。そうすることで戸惑うこともないし、余裕が生まれる。余裕のある男は女性からは頼もしく見られる。

二軒目では恋愛の話に終始した。なるべく艶っぽい雰囲気を醸し出していく。

バーの雰囲気も手伝って、そして酒も進み、徐々に彼女の顔色も艶っぽくなってきた。

僕は更に次のステップへ進みやすくするための作戦に出た。

性のハードルを下げるために、付き合った人以外とも身体の関係を持ったことがあるかを彼女に確認した。

彼女にはその経験があったため、それが決して悪いことではなく、お互いをもっと知るための手段としてはありだということを語った。

彼女のしてきた行動を肯定すること、そしてこの後の行動に対しての伏線を張ることで次の動きをスムーズにする。

タイミングを見極め、僕は二軒目を出る決断をした。

バーを出る際に階段があるため、僕はサッと彼女に手を差し出した。彼女は差し出した僕の手をとった。仕上がりは上々だ。

そのまま手を繋いだ状態のまま、僕は駅とは反対の方向に歩き始めた。あえて何も言わない。彼女もどこに向かうのか聞いてこなかった。

バーから歩いてほど近く、この界隈はホテルが乱立している。付近まで来て僕は彼女にもう少し2人でいたい旨を伝えた。

彼女は一度は断った。今日初めて食事をしたばかりだと言ってきた。

そこで僕はもっと彼女のことを知りたいということ、魅力的に感じているということをストレートに伝えた。二軒目で張っていた伏線の回収だ。

そしてもう一度彼女に付いてきてほしいことを伝えると彼女は顔を赤らめコクっと頷いた。

決着した瞬間だった。

終局

部屋に入りドアを閉めた瞬間、キスをした。彼女もそれに応えてきた。深いキスだった。

そのままなし崩し的にベッドで行為をした。先程まで恥じらいを見せていた彼女はそこにはなく、積極的に彼女は攻めてきた。

仰向けに寝た僕の上に跨った彼女は、いたずらっ子のような表情で僕を見下ろし、自ら動いた。とても艶っぽい綺麗な顔をしていた。

いつも思うが、普段話している時の女性の顔と、ベッドで見せる女性の顔のギャップが僕は好きだ。普段は大人しめな女性がベッドではとても積極的だったり、強気な女性が、すごく受け身だったり。

女性によって見せる表情の違いがとてもおもしろいし、とても愛らしく思える。

行為後、彼女になぜ僕に連絡をくれたの聞いてみた。

彼女は機内で僕との話が楽しかったこと、優しそうな人だと感じた点が好印象だったとのこと。

また僕が連絡先をポストイットに書いて渡した際、周りの人達に見えにくいように渡してきたことが良かったと言った。

やはり機内で名刺などを渡してくる人は多いようだが、名刺を渡されているシーンを他のCAに見られると後で冷やかされたり、グチグチ言われたりすることがあるらしい。

特に今回は勤務中ではなく、出勤中だったため、連絡先を渡されているシーンを見られていたら余計にとやかく言われる可能性が高かったとのこと。

そこを僕は周りに見えないように渡してきたことが、気の使える人なんだろうと彼女の中では判断に至ったらしい。

自分が相手に対してアクションを起こす際、そのアクションによって相手がどう感じるか、また周りの状況はどう変化するかといったことを意識することはやはり大事だなと感じた。

結局僕たちは、なし崩し的に激しく求め合う行為をした後、シャワー浴び、その後はゆっくりと堪能するように改めて行為をした。

そしてまた今度ゆっくりと食事をする約束をし、平日だったこともありその日はホテルを後にし駅で別れた。

飛行機内での出会いから始まった長い闘いがようやく終わった。